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想い出ぽろぽろ

もう遥か昔のことで
何年ぶりのことか
思い出すこともできない




仕事が連休だった今日
早朝から身支度をし
実家に向かって足を運んだ




曇天の空は
田舎の淋しい街並みを
さらに淋しくして見せた


目に映るものすべてが
セピア色に染まって 
時間さえ止まって見えた





電車を3本
その後 
弐両編成の気動車に乗る

懐かしく見慣れた街並みから
バスに乗ろうとあたりを見回したが
バスらしきものもなく
声をかけようにも
言葉を失った姿の老人しかいなかった






ターミナルに居合わせた
タクシーに乗り込み
行先を告げ
眠りに就こうとしたところ
下品に笑う運転手が
しきりに話しかける


自分で質問をしたことで
田舎での私の家柄が判明した途端に
急に控えめになり
言葉遣いさえ変わった



気にしているのも無駄なので
窓の外のセピアの景色に目をやって
目頭を熱くしていた




街の景色も匂いも風も
変わっていなかった






私は家を出た身であり
容易に敷居をまたぐことを赦されるわけでなく
玄関で立ちつくし
出迎えを待った






少し小さくなった父が現れ





入れよ





ひと言言った






うん





もう二度と受け入れてもらえないと思っていた生家

涙の対面となった









帰宅すると
連休であっても私に休みはなく
直ぐに仕事に入る






結果
御主人様からいただいたmailを確認することもできず




数か月ぶりの逢瀬を
自ら
逃してしまった








生きる意味を手にしたように見えた その日に
生きる意味を
失くしてしまったようだ












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